東京とんかつ会議第151回「とんかつ きんとん 」特選ロースかつ定食 1380円

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議 第151回 とんかつ きんとん 特選ロースかつ定食 1380円
肉3、衣2、油2、キャベツ2、ソース3、御飯2、お新香2、味噌汁2、18点特記なし(各項目3点満点、特記項目含め25点満点)

ビフカツの地であり、とんかつ文化の薄い神戸から進出したという珍しい店である。ご主人は、神戸で80年続く「むさし」出身である。自分の揚げるとんかつを、激戦区東京で臨みたいと言う心意気や良し。渋谷駅に近い場所の地下に店を構えられている。
豚肉は岩中豚(岩手のブランド豚)らしい、肉と脂にコクがあり、味が濃い。衣はカリカリと香ばしく揚がっているが、やや焦げ香が感じられ。肉に対して固いので、もう一歩手前で止めればなおいいだろう。油はラードを使われていて、食欲をそそる香りが漂う。かなり突っ込んであげられている割には、脂の溶け具合が甘く、その点を気をつけてあげられると、素晴らしいとんかつとなると思われる。何しろ1380円でこれだけの厚さの岩中豚とんかつを食べることができるのは、お値打ちである。
お新香は、大根の浅漬け、きゅうり、沢庵で布陣としてはいい。ソースは香り高くしつこくない。キャベツはやや粗い切り方で、みずみずしい。キャベツが具となった味噌汁は、もう少し香りが欲しいところ。そしてとんかつ定食は和定食なので、スープカップに入れるのはどうだろう。
志は高く、誠実さがにじみ出ていたご主人ゆえ、さらに細部を調整されると、より良いとんかつ定食になろう。